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念願のリアルドラマー

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彼は昨日ついに念願のリアルドラムと対面した。今までは、僕が頑なにパッド練習にこだわり、パッド練習でもリアルドラムをイメージした練習を取り入れていた。最初の頃に彼が遅れてきたので僕が帰ってしまったことがあって以来遅れていない。しかし昨日は5分遅れてきた。その理由として自転車が壊れた。それで彼の父は忙しいためにすぐに送ってあげることが出来なかったため代わりの人を捕まえるまでに時間がかかった。よし、ならいいでしょう。しかしこれ以上遅れる場合には連絡するようにと伝えた。K君はリアルドラムを触るのが初めてだった。トゥンナさんの許可を得てサンタナホテルの中をいつも使わせて頂いている。サンタナはいつも力を貸してくれる。家族のように接してくれる。僕もそう思っている。K君もいつも来てはトゥンナさんと話をしてから練習場でもある屋上へ進む。トゥンナさんはいつも心で接してくれる方なのだ。K君が遅れてきた時もトゥンナさんは双方の事を考えた上で発言してくれていた。僕をインドで調子に乗らせてくれた大事な一人でもある。話は戻るが、K君はいよいよリアルドラムを前にすることができた。今まで、パッド練習での成果を見せる時が来た。といってもパッドと本物のドラムの感触は違うし、音の出方も違う。全く別物だ。しかし、パッドで練習してこないと本物を目の前にしてもなんにもできない。初めから練習パッドがないのであれば、そうではないのかもしれないが彼は最近アマゾンインディアで手に入れた練習パッドとスティックでこれから上手になるし、今後しばらく本物のドラムで練習することができなくなる為、練習パッドでの基礎練はどうしても必要になってくる。彼はそれも理解していて、日ごろから真剣に練習に取り組んでいた。僕がドラマーとしての心得と、音楽やバンドについて伝えたいことは山ほどあるが実際に体験、経験してみないと分からないことの方が多い。ただ何となくコツだけは教えた。ドラムほど、音量を自分でコントロールしないといけない楽器はない。全て人力にかかわってくる。その為、ダイナミクスの練習が必須になる。それは今でなくてもよい。今はとにかく、疲れない叩き方、リズムの取り方、手足に脳みそを育て上げる事、そして自分の心を育てる事を伝えた。ドラマーと一言で言えど多種多様にいるし、誰が一番良いかなんて決められないし、決める必要もない。決めるのは自分自身だ。どのスタイルが自分に合っているか、その為にはどんな練習が必要か、どんな音楽を聴く必要があるか。誰を師匠に定めるか。自分の明確な目標やイメージがあればあるほど近づきやすい。僕の場合は、沢山いた。いつも隣に座ってみてもらっているイメージで練習していた。バンドで練習している時はいつも超満員の会場をイメージしてやっていた。いつその会場になっても緊張しないように。NYでドラム修行したとき、苦い経験をしたのも、今思えばいい経験をさせて貰えたと思っている。全て無駄ではない。全て繋がってくる。K君は来週、オリッサ州代表を決める水泳大会に出るようだ。もしここで金メダルが取れれれば次のナショナルリーグに進めるという。つまりはインド国内代表。金メダルを三つもっていなければ出場権が得られない狭き門。彼は若干13才だが世界を視野にしているため目が違う。その視線の奥を見つめている。僕はK君にドラムを教えている時もすごく良いときはすごく褒めている。そうするとこちらをちらっと見て微笑み、さらに力が増して打ち込む。それが正しいのかはわかないが何となくいい感じがしている。彼の眼が輝き、その視界の奥には一体何を映し何を感じているのだろう。この多感な年頃を教える問うことはそれだけの責任を背負いやりがいもまた同様にある。僕の背中を見ているせいか、彼の叩き方も座り方もどこか自分に似ていると言われて気づく。全部吸収しようとしているなK君。いいぞ。

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