インドは親父が強い。基本的に恐れられている存在。家族の中で、親父は絶対的な権力を持つ。昔の日本にも近いかもしれない。バイクに乗っている時も、商店にいるときも、町でチャイを飲んでいる時も。いつだっていい意味で偉そうでどっしりしている。弱きものを助け、基本的に若者にも誰にも結構な勢いで叱ったりする。たまに、調子に乗った若者とかには注意をしたりする。道で渋滞が起きていると勝手に交通整理を始めるおじさんが出てくる。しかも強めに。それ以上におばさん方も相当強い。おじさんより強いかもしれない。肝っ玉母さんみたい葉人がそこら中にいる。外国人女性にはとてもやさしい。おじさんとおばさんが本気で喧嘩をしているのを何度も見た。夫婦なのかもしれない。それ以上に夫婦でないと思われる喧嘩も何度も見たことがある。インドの人はけんかはするがあまり手は出さない。口で怒鳴っておしまい。手を出すと偉いことになる。周りの取り巻きにぼこぼこにされる可能性もある。日本では電車の中で痴漢を発見したときや迷惑行為を発見したときに、その加害者と思われる人に必要以上に押さえつけたり、ここぞとばかりに暴力をふるうニュースがたまにある。とても怖い。それだけ普段どこかに力をぶつけたいのかもしれない。正義感は時として非常に危険だからな。危ない。やり過ぎはよくない。
話は戻る。僕はインドで親父が強いところも好きな所の一つかもしれない。親父たちが必死に生きて仕事もプライドをもってしているし、全部じゃないけど結構なおやじが頑張っている。とても素晴らしい事だと思う。若者の目指す背中になっているから。そんな親父たちと街中で会話をしていると温かい気持ちになれる。必死に今のインドになるために頑張ってきた。そんなことが想像できる。目が常に強い。力に溢れている。ちょっとやそっとのクレームではへこたれない。強めの言い訳をしてくる。これが自分に対する誇りというものなのかもしれない。クレーム大国になってしまうと自分の心を痛めてしまう。インドまでそうはなって欲しくはないが、少しずつそうなりそうな感じは感じている。若者の富裕層が増えてきているからだ。そして見栄も。今までは心があったからフォローできていたが心がなくなってくるとそれぞれの心を傷つけあってしまう。自分の心に正直なインド人の人達。礼儀はもちろんあるし尊敬だってある。そんなスタイルで後の世代にも引き継いでいってほしいと思う。強い親父たちが沢山いるインド。調子に乗った若者に一喝し、今日も街の治安を良くしていってほしい。親父たち、おばさん達でインド界を回しているインド。これからも楽しみだし、不安要素もあるが僕に出来ることを探してやっていこうと思う。一つずつ、着実に。
親父が強い国
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